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ようにしてこの資格ができていったかという歴史背景と、それから実際とのように機能しているかという点について触れていきたいと思います。
CDEというのはCertified Diabetes Educatorsの頭文字をとったものです。日本では正式名称として糖尿病療養指導士といわれるのではないかと思います。このCDE認定制度の歴史ですが、1973年にアメリカ糖尿病教育者協会(AADE=American Association of Diabetes Educators)が設立されました。この背景としては、1970年代のアメリカでは糖尿病患者が日本のいまと同じく700万〜800万人くらいといわれてました。その時点では一般の看護婦が糖尿病の患者教育を行っていたのですが、患者はふえる一方で、それについて的確なガイドラインがないということから、アメリカ糖尿病協会が糖尿病教育を熱心にしている医療スタッフを集めて、1972年に会議を行って、そのときに可決された内容に沿って発足したのがこの組織です。しかし、認定制度もなく、知識のばらつきがかなりひどかったため、はたして糖尿病教育者として認められるかという議論も飛び交って、それでは資格制度を導入しようではないかということになって、1985年に全米糖尿病教育士認定委員会というのが発足しました。これはCDEの試験監督をしたり管理業務を行ったりする組織を別途につくり、資格・認定制度が始まった年です。
AADEの役割には三つありまして、第1点は、糖尿病教育が知的・専門的職業であることを社会にアピールすること、要するに、日本もアメリカと同じですが、医療従事者の地位はドクターが頂点に立っていて、2番目に医療スタッフというピラミッドの形になっています。アメリカでは現在もそれは変わっていません。しかし、専門的職業であるということをもっと社会の人たちに認識してもらおうということだったのです。
2点目は、糖尿病の人たちのケアおよび糖尿病に関する理解の手助けをすることです。ご存じのように、アメリカは多種多様の民族がまざっ

 

 

 

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